経済成長と取得価額

Fireable

これまでの投稿で記載してきたとおり、わたしは取得価額ベースでみています。
したがって、株価上昇による評価益は利益としては捉えず、実現損益として配当金と売買損益しか損益としては捉えていません。

これは、市場の動向やテクニカルな要素が株価の変動要因となるなか、どこからがファンダメンタルズなのかテクニカルなのかの判断がつきにくいですし、一時的な業績改善・悪化もあり、企業の真の実力を図ることは極めて困難と考えているため、株価の騰落による評価損益は加味しないことにしているという考えです。

インデックスファンドを例にもう少し分解してみると、インデックスファンドは分配金はなく、構成銘柄による配当金も打ち込めされた形で基準価額として評価されている認識です。
この基準価額のなかには①構成銘柄の成長実績、②構成銘柄の将来性、③配当金再投資、④テクニカル要因が含まれていると思っています。
①と②の企業の成長実績や将来性が株価にどのような影響を与えたかを計測することはできないですし、③の配当金再投資の影響がファンドの基準価額にどこまで影響するかも掴みづらいところです。
そうしたなか、④のテクニカル要因は完全に水物なので無視したいと考えていますが、①~③が計測できない状況下、④の影響は結構な比重があるのではないかと勝手に捉えていて、インデックスファンドの基準価額上昇が個人的に信用できない要因となっています。

これに対して、高配当投資だと③の配当金は実現化されるため、①と②の企業の実力、④のテクニカル要因が株価上昇に残ります。
そうしたときに、近年では多くの企業が業容拡大して増収増益となっている状況でもあり、取得価額ベースで見続けるのもそれはそれで過小評価な気もしているところではあります。
そのため、①の企業の成長実績はもう少し評価してあげてもいいのではないかと思ったりしています。

とはいえ、個社ごとに企業の成長状況を織り込んで取得価額から実力ベースの評価額に引き直すのは現実的ではないとも考えています。
一方で1つのアイデアとして、全銘柄平均して経済成長率分だけ株価も成長していると捉える考え方があってもいいのではないかなと思ったりします。
インフレの影響を除いた実質ベースとするか、インフレも反映させた名目ベースとするかは悩ましいですが、インフレが生じれば企業価値に変わりがなくても株価はインフレ分だけ値上がりすると捉え、名目ベースを採用する案もあるかなと考えています。

具体的には、ある年度末時点で全銘柄の取得価額ベースの総投資額が1,000万円だったとします。
その年度の日本の名目経済成長率が仮に3%だとしたら、1,000万円に3%を乗じて1,030万円を投資残高としてみなすというものです。
また、翌年度末には成長率が2%、新規投資100万円であれば、(1030万円+100万円)×102%=1,152.6万円を投資残高としてみなすことになります。
より精緻に考えるのであれば、評価益を実現化するには約20%の税金が掛かりますので、経済成長率に0.8を乗じると過大評価を避けられるのかなとも思います。

これをわたしの投資残高に当てはめてみると、現在の投資残高は取得価額ベースでざっくり4,000万円程度です。
一方、記事を書きながら改めて日本のGDPの成長率を見てみたところ、2025年度は実質ベースが0.8%、名目ベースが4.1%でした。
名目ベースで計算してみると4,000万円×4.1%×0.8=131.2万円ですね。
2025年度では評価損益は2,000万円近くも増加したのに対して、企業の成長実績として反映された金額は約131.2万円と乖離はありますが、評価額が2,000万円拡大したことの方が企業の成長と肌感が合わないので、131万円というのは個人的にはそこそこ納得感のある水準でした。

ここからさらに考えを膨らませると、わたしの投資先は一部上場企業がほとんどでグローバルに事業を展開しているので、日本のGDPの成長率を持ってくるのだと合わない面があるかもしれません。
ネット検索するとIMFが出した世界のGDP成長率は3.4%というものを見かけました。
ただし、名目成長率なのか実質成長率なのか不明であったり、計測手法が良くわからず日本が1.2%となっていて、上述の0.8%や4.1%と異なったりもしているので、世界のGDP成長率をベンチマークにするのはやや信頼性に疑義ありかもしれません。
また、新興国の成長率などは正確に計測されるかも怪しい気もするので、日本のGDPの成長率をベンチマークにするのがよさそうです。

ということで、仮に企業成長を投資残高の拡大としてみなすことにするのだとすると、毎年の新規投資は給与所得からの400万円+配当金再投資であり、2026年度は610万円ですので、この金額に企業の成長実績として131万円が上乗せされるのだとすれば非常に大きなインパクトです。
また、投資を開始して10年が経過していますので、10年間の経済成長を反映させると複利の効果もあって投資残高は4,000万円から増えているはずですので、その金額に+4.1%×0.8(税金考慮)を乗じた金額は131万円からさらに増加することになるかなとも思います。

また、この131万円は実現利益に近いものとみなして、この分だけ新規投資400万円から差し引くことにして、自由に使える可処分所得を増やす考え方もあるかもしれません。
しかし、そう考えると、わたしは45歳で取得額ベースでの総資産が1億円となるように毎年600万円の資産形成を行う計画としていますが、インフレ分を考慮するならば、この1億円の目標額もインフレ分だけ増額させる必要が生じますね。

3%のインフレが生じたら目標は1億300万円に増額、翌年に2%のインフレとなればさらに1億506万円と毎年増えていくことになります。
したがって、131万円を実現利益として捉えたとしても、インフレ分だけ資産を追加で積み上げる必要が生じるため余剰資金として自由に使えるわけではないことになります。
このように考えると、名目成長率を用いるのではなく、実質成長率を用いる方がインフレの影響を控除できて良さそうです。

名目成長率は0.8%でしたので、取得額ベースの投資額約4,000万円に税金も考慮すれば、経済成長による投資額の増加額は26万円となります。
年間26万円の余剰資金が増えるということであれば、月2万円なので毎月1回は贅沢においしいものも食べれそうですし、生活へのインパクトは多少はありますね。

とかとか、ここまで考えてきましたが、あくまでアイデアの1つでしかないので実際にこの考え方を導入することはないと思います。
評価益が非常に積み上がってきたなか、こうしたことを考えるのも面白いですし、仮にFIREなりFireableを達成したときには、経済成長やインフレも進んでいて取得額ベースと評価額ベースの差はさらに拡大している可能性があるなか、この差をどのように捉えたらよいかの頭の体操にもなるので、自分の頭のなかを文字化する意味でも記事にしてみたという感じです。

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