銘柄選定の考え方

運用方針

過去に何度か書いてきたかもしれませんが、下期には以下の内訳で約400万円ほどの新規投資を予定しています。
① 給与所得から半期ごと新規投資200万円
② 配当金再投資80万円
③ TOBを掛けられている黒崎播磨(5352)の税引後売却額110万円
本日は、新規投資時の銘柄選定や取得是非の検討にあたってのわたしなりの考え方等を書いていきたいと思います。

1 配当利回り
わたしは45歳までにいつでもFIREできる状態としての「Fireable」を目指しています。
なお、45歳で仕事を辞めることは考えていませんので「RE」は目指しておらず、贅沢もしたいので「FI」とも言えません。
「FIRE」可能な状態となることで精神的な余裕を持ったりおカネを使うフェーズに移行するための区切りとすることを企図したもので、わたしの造語として一人で勝手に「Fireable」と呼んでいます。

そのため、45歳までの資産形成をある程度保守的にシミュレーションしていて、そのなかでは株式投資によるリターンを税引後で3%と設定しています。
足元ではインフレに転じていることを踏まえると、企業の収益力が変わらなければ、インフレ分は株価が上昇するためキャピタルゲイン(株価上昇による売買益)を得られるかもしれません。
しかし、キャピタルゲインは将来を見通すことが困難であるため、わたしは配当金受取であるインカムゲインのみを考慮して資産形成のシミュレーションを行っています。

恐らく国内株式の配当利回りは税引”前”で2%程度ですので、税引”後”で3%というのは「保守的」と書きつつもやや強気なのかもしれません。
しかし、米国などと比較して国内では配当による株主還元は低位であったなかで風向きも変わりつつあり、近年では増配を続ける企業が増えてきていますし、インフレになれば配当金も増加することになるはずです。
また、成熟した大企業を中心に高配当な銘柄もあり、税引後3%も配当利回りを確保できる銘柄は市場にはそれなりに転がっています。
そう考えると、インカムゲインでは3%とやや強気の目標を設定しつつもキャピタルゲインは考慮しない、というトータルリターン自体は十分保守的であろうと考えています。

上記のような考え方のもと、税引後配当利回り3%というのはわたしのなかでそれなりにマストな条件です。
そのため、まずは銘柄検索を行うにあたっては配当金利回りを降順(上から高い順)に並べて各銘柄を確認していきます。

2 各種指標(PBR・PER・配当性向)
銘柄選定にあたっては前項のとおり配当金利回りを降順に並べますが、では上から取得していくのかというと、当然そうではありません。
なかには実力以上に配当金を支払っている企業もありますので、収益力がある企業が実力に基づいて配当金を支払っているのかという点が重要です。

近年は国内株式が振るわない状況であったなかで感覚がマヒしてしまっているかもしれませんが、PERは10.0倍、PBRは1.0倍、配当性向は50%を切っていてほしいなという目線で各企業の指標を眺めています。

PERやBPRが分からない方のために、今回もAIである「Copilot」に聞いた回答を記載すると以下のとおりです。

PER(株価収益率)とは、企業の株価がその利益に対してどれだけ評価されているかを示す指標で、「株価 ÷ EPS(一株当たり利益)」で計算されます。
投資判断の基本となる指標で、企業の収益力に対する市場評価を数値で把握できます。

PBR(株価純資産倍率)とは、企業の純資産(簿価)に対して株価がどれだけ評価されているかを示す指標で、「株価 ÷ BPS(一株当たり純資産)」で計算されます。
企業の“解散価値”や“資産価値”に対する株価の割高・割安感を測るために使われます。

つまり、PERは「収益力(フロー)」、PBRは「純資産(ストック)」に対する株価の割高・割安感を示したもので、「低いほど株価が割安である」ということになります。

ただし、必ずしも低ければ良いわけではなく、例えば新興企業などでは現時点では収益力がなくても将来は成長して利益が拡大すると期待されて株価が上昇すれば、PERは高い水準になります。
PERが高いからというだけで投資を避けると、将来成長して配当金が増加したり株価が大幅に上昇したりといったときの果実を逃すことになってしまいます。
ただし、企業の実力以上に成長期待が過熱している銘柄が含まれることも多分にあり、PERが高い銘柄に投資するにあたっては目利き力が試されることになると思います。

PBRにも触れると、1.0倍を切るということは、1株あたり純資産が株価を上回ることを意味します。
例えば2,000円の株価に対して1株あたり純資産が3,000円もあるといったケースですね。
この場合、企業が解散すれば株主は3,000円分の価値を得られるため、PBRが1.0倍未満の企業は即座に企業を解散して資産をすべて売り払い、それによって得られた資金をすべて株主に還元することが望ましいことになります。
しかし、実際には例えばメーカーであれば工場など固定資産や商品在庫などの流動資産を持っていて、簿価のとおり市場で売却することは困難です。
したがって即座に解散してすべての資産を売却しても株価を超えるような資金を得ることは難しく、あくまで「理論上」での話です。
しかし、この「1.0倍」というのは上記のとおりそもそも企業の存続意義に疑義を呈するものでもあります。東京証券取引所はPBRが低位な企業などに対して資本効率を意識した経営を行うよう求めていたりしますし、PBRを巡っては語り始めるときりがないかもしれません。

そのようななかで、わたし自身は1.0倍未満だと割安だなと思っていますし、1.0倍を超えていても1.2倍前後ぐらいまでであればある程度の割安感を持って購入候補となる銘柄として捉えているところです。

最後に、配当性向に関しても触れたいと思います(PBRが思いのほか長くなりやや息切れしたので短めに)。
配当性向に関してもCopiltに聞いた回答は以下のとおりです。

配当性向とは、企業が稼いだ利益のうち、どれだけを株主に配当として還元しているかを示す指標です。
株主還元の姿勢や企業の成長戦略を読み解くうえで、非常に重要なファンダメンタル指標です。

Copilotは計算式を教えてくれませんでしたが、配当性向とは「1株あたり配当金÷1株あたり純利益」として求められます。

わたしは30%~40%程度だと有力な投資先として候補に入れていますし、50%ぐらいまでであれば検討の俎上に乗るかなという感度です。
これは、例えば配当性向30%であれば、1株あたり100円の利益をあげていて、そのうち30円を配当金として支払うような企業を選定しているということです。
例えば、配当金30円で配当性向が30%の企業であれば利益は100円も稼いでいるため、増配しようと思えばその余裕がありますし業績が悪化しても30円なら払い続ける余裕があることになります。
一方、配当金は同じく30円で配当性向が60%の企業を考えると、利益は50円しか稼いでおらず、増配余力は少ないですし、業績が悪化すれば減配まっしぐらです。

したがって、高い配当利回りでありながら配当性向は低い企業を探しています。
参考までに、Copilotが配当性向の水準ごとにどのような企業であるかも教えてくれたので、こちらも記載すると以下のとおりです。

0〜30%|利益の多くを内部留保に回している。成長投資を重視する企業に多い。
30〜50%|バランス型。配当と成長投資の両立を目指す企業に多い。
50%超|株主還元を重視。成熟企業や安定収益企業に多い。
100%超|利益以上に配当を出している。特別配当や一時的な赤字の可能性あり。

3 業績の過去トレンドや今期見通し
配当利回りが高い銘柄というものには何かいわく的なものがあることも多々あります。
3月決算企業であれば5月頃に決算短信を公表して年間の配当予定額を開示します。配当予定額に変更があれば都度開示はなされますが、減配は投資家が非常に嫌気しますのでよほどのことがなければ期中では行われず、翌期からの減配となります。
そのため、仮に期中で業績が悪化したりその兆候が生じても、配当予定額は高い水準が維持されます。
一方、株価は即時反映されますので、株価だけが下がって高配当金が維持されることで、結果的に配当利回りが良く見えることになります。

また、業績が下向きであっても高配当を維持するケースもあります。
この場合は実力以上の配当を行っているだけですので、業績が好転しなければ、早晩、減配することになってしまいます。

新規の株式を取得するにあたり、(良くはないですが)あまり企業分析は行っていません。
正直、5年先や10年先の企業の将来を見込むことができるほどのチカラはないので、Yahoo!ファイナンスのアプリで過去5年なり10年なりの業績の推移を見て、過去の成長の実績を確認しています。

つまり、配当利回り→各種指標→業績推移の順に確認してきて良さそうであれば、一気に有力な購入候補になります。
そこまでたどりつたら、最後に直近の決算短信を確認して当期の業績見通しを確認します。
意外と、ここ数年は業績が順調に右肩上がりなのに、今期は減益なの?という企業もそれなりにあります。もしかしたら、そういったことが背景にあって株価が下落して配当利回りが高まっているということなのかもしれません。

最終的には、すべて満足するような銘柄は早々転がっていません。
PERが高めであるとか、配当利回りがほかの候補と比較して多少低いとか、何かしらの項目で気になる点は出てきます。
そうしたなかで、いくつかの候補の中から、最後は「まあこの銘柄かな」というのをノリで決めている、という感じです。

書き忘れましたが、あとはセクターを分散させるとかも重要ですね。
今はやや自動車セクターや金融セクターが多めです。配当利回りが良い銘柄が結構あります。
銘柄の絞り込みの段階からセクターを気にすることもあれば、最終候補まで残したうえで業種分散のためにこちらにしようということで、最後の判断材料になることもあります。

ざっくりとですが、新規投資にあたってのわたしの銘柄選定の考え方は以上のとおりです。
1銘柄あたり60~80万円程度で取得しているので、下期ではだいたい5~6銘柄ぐらいを取得することになるのかなと思います。
良い銘柄が見つかるといいなと思っております(日経平均も高すぎるので一時的に下がってくれないかな…)。

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